沖縄がまだ“琉球”と呼ばれていた時代・・・琉球王国は、中国や朝鮮、東南アジア諸国、そして薩摩藩を窓口とした日本などとの中継貿易を通じて富と繁栄の時代を築き上げてきました。大交易時代の栄華を謳歌する中で、さまざまな異文化を吸収しながら、独自の美学と感性を以って世界に誇りうる王朝文化を育みました。その文化を象徴するのが、琉球伝統芸能なのです。
本公演では、“空間再現”の研究を中心とした、演者と観客双方で作り上げる公演です。古の先人たちは薩摩屋敷や江戸屋敷において数々の伝統芸能を披露しました。格式高い和室での上演は、士族たちがその空間を取り囲んでいたという記録が残されています。
まさに劇場では味わうことのできない、“距離”や“特別”を体感することができます。
「美の世界」では“1×1”をキーワードに、“奏者一人に舞い手一人”というスタイルで、極限までその身を削ぎ落した編成で、琉球伝統芸能の美の真髄に迫ります。
琉球伝統芸能デザイン研究室の「核」はこの「美の世界」から始まりました。
歌三線 山内 昌也(やまうち まさや)
沖縄市出身、沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科 琉球古典音楽専修修了。
(一社)琉球伝統芸能デザイン研究室代表理事。沖縄県立芸術大学准教授。
琉球古典音楽の研究と教育を行っており、常に「伝統」と「革新」を意識している。
琉球舞踊 西村 綾乃(にしむら あやの)
南城市出身、沖縄県立芸術大学大学院音楽芸術研究科 琉球舞踊組踊専修修了。
沖縄県内外・海外での舞台活動と共に、後継者の育成を行う。
NHK BSプレミアム「美の壺」、県内企業CMモデルとしても活動している。