9月15日 東京 日本橋にて演者会員4名による設立記念公演を行いました。
奏者一人に舞い手一人というシンプルな表現だからこそ感じることのできる美しさ、また小空間で行うことによって感じ取れる息遣いや緊張感など、それらを観客の皆様と共有し、臨場感を持ってお楽しみいただきました。
本設立記念公演は、東京日本橋 コレド室町3にて行いました。演者会員4名にて(歌三線2名・琉球舞踊2名) 斉唱「稲まづん節」、独唱「赤田風節」、「仲風節」が演奏され、舞踊「かせかけ」、「諸鈍」の二曲が踊られました。
奏者一人に対して舞い手一人という通常のスタイルに加え、今回初の試みとして同旋律を複数名で歌う形である“斉唱”にて、「稲まづん節」を歌い、それぞれの持つ声が重なり、迫力ある華やかな魅力を感じていただきました。
「琉球伝統芸能の新しいカタチとデザイン」をコンセプトに設立した当法人の主旨を歌と舞を通して感じて頂き、演者会員のそれぞれの持ち味・それぞれの表現をお客様にお届けすることができました。
尚、チケット完売のため ご覧頂けなかった皆様 申し訳ありませんでした。
歌三線 山内 昌也
本公演では斉唱「稲まづん節」、独唱「仲風節」、舞踊「諸鈍」(地謡)を担当。
歌の流れが見えるような一本線の通った声で、空間に心地よい緊張感をもたらしました。「仲風節」ではシンプルながらも濃厚な表現を、「諸鈍」では冬の夜の張りつめたような空気感を感じることができました。
歌三線 内間 安希
本公演にて、斉唱「稲まづん節」、独唱「赤田風節」、舞踊「かせかけ」を担当。
空間全体を包み込むような柔らかな歌声で、「赤田風節」「かせかけ」の「悲しみ」や「愛しみ」といった「心」を切々と歌い上げました。
琉球舞踊 西村 綾乃
本公演にて舞踊「かせかけ」を担当。
清々しい「かせかけ」の踊りの中にもどこか凛とした空気感があり、内に秘めた思いというものが感じられました。紡いだ糸を巻く道具である、枠とかせを手に踊る「かせかけ」ですが、その糸を紡ぐ所作では、その糸が見えるような繊細な表現が小空間で映えました。
琉球舞踊 永山 玲緒奈
本公演にて舞踊「諸鈍」を担当。
この踊りの見どころの一つである「三日月目付」では、目の動きだけで想い人への心情を表現します。小空間での演舞はそのような細やかな表現がより際立ち「諸鈍」の静かな悲しみの世界観に浸ることができました。
※他流派では「三角目付」と呼ばれますが、柳清本流では弧を描くように目線を持っていくことから「三日月目付」と呼ばれます。