琉球王国時代の理念と美の追求として、《琉球の美》「伝統」と「革新」によるイノベーションに取り組むべく、(一社)琉球びんがた普及伝承コンソーシアム・(一社)琉球料理保存協会との包括連携を締結し、10月1日 沖縄県庁記者クラブにて発表しました。
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室、一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム、一般社団法人琉球料理保存協会は、それぞれ2019年4月に法人を設立いたしました。三社はそれぞれに、琉球王国時代に築き上げられた「おもてなし」の精神、いわゆる「うとぅいむち」を現代でどう活かすことができるかをキーワードとして考え、復元のみならず、再現も視野に入れ、琉球の美=本物を追求するとともに、次世代に向けた持続可能な開発目標を掲げ活動を行っています。
また、同年の5月20に沖縄県では初めて「日本遺産」として「琉球王国時代から連綿と続く“料理”と“泡盛”そして“芸能”」が認定されたことは、単なる偶然ではないとも感じております。
三社は、これまでに国や県の事業等を通じて関わることができ、互いの活動について情報交換等を行なう機会に恵まれました。古(いにしえ)の先人たちが残した大切な文化芸術を質の高い状態で、どのようにして後世に伝えていくことが重要かなどを議論しておりました。議論を重ねる毎に、独自の活動だけでなく、包括連携を行うことで、より充実した取り組みになるのではないかとも感じておりました。
琉球伝統芸能デザイン研究室と琉球びんがた普及伝承コンソーシアムは、昨年度先に包括連携を締結し、琉球古典舞踊の衣装として、代々伝わる琉球びんがたを羽織って演ずるという企画鑑賞等を実施いたしました。
この度、琉球料理保存協会も加わった三社による包括的連携を行い、「伝統」と「革新」によるイノベーションを目標とした、琉球王国時代の理念と美を追求して参ります。
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室 代表理事 山内 昌也
公立大学法人沖縄県立芸術大学教授
県無形文化財「沖縄伝統音楽湛水流」保持者
一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム 代表理事 屋冨祖 幸子
琉球びんがた事業協同組合理事長
伝統工芸士
一般社団法人琉球料理保存協会 理事長 安次富 順子
沖縄の食文化・琉球料理研究家
安次富順子食文化研究所所長
■めざす姿
「沖縄県SDGs実施指針」を視野に入れた取り組みを行います。沖縄県独自のSDGs基本理念を基に、持続可能な質の高い観光コンテンツ開発事業の実施と提言を行います。それらは、ジェンダー平等を含む若者たちが、将来の目標となり得る「沖縄人として誇りに思うシゴト」のヒントになれればとも考えます。それらを実現するために、教育分野にも力を入れ、子どもたちに「ホンモノ」を体験できるシステムを構築し、情操教育にも貢献できればと考えます。
また、《琉球の美》をいつでも体感できる空間として、(仮称)「新御茶屋御殿」を首里城の麓に誕生させることも目指しております。
■具体的な取り組み(令和3年度および中期構想)
(1)令和3年度沖縄観光コンテンツ開発事業 (琉球伝統芸能デザイン研究室採択事業)
「琉球の美」-ホンモノのモノ- (11月~12月実施)
(2)令和3年度新たな沖縄観光サービス創出支援事業 (受託事業)
琉球王朝の文化を巡る、技に触れる7日間 ~伝統を感じ、優雅に楽しむ 新しい沖縄~
(12月~2月実施)
(3)三社合同による法人組織の設立 (事業等の自走化を目指し、コンテンツ開発と人材育成を行う)
三社紹介
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室
琉球王国時代の高貴な『うとぅいむち』(おもてなし)を甦らせることを理念に、これまでに無かった「琉球伝統芸能=宮廷芸能」だけにこだわり、少人数・小空間を基にした上質な琉球芸能を提供するための事業と人材育成を行います。コンセプトは「琉球伝統芸能の新しい“カタチとデザイン”=伝統と革新」です。性別を問わず「琉球伝統芸能のプロ」を育て、「琉球伝統芸能」を次世代に繋げていくことに尽力して参ります。
一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム
琉球びんがたが、次の50年、100年と発展し、継承されていくことを目指し、職人、事業会社及び大学が連携して立ち上げた組織です。琉球びんがたのデザイン性に着目した、知財を活用する様々なプロジェクトをプロデュースする他、産地ブランディングに繋げる為のクラフトツアー企画にも取り組みます。これまで職人に求められていた工芸の稼ぐ力を、ビジネス経験豊かなメンバーが補い、現代に受け入れられる新しい形での工芸の発展の仕方を探究します。
一般社団法人琉球料理保存協会
琉球料理保存協会は、伝統的な琉球料理の正しい普及と保存活動、琉球料理人の人材育成及び資質の向上、そして琉球料理、食文化の総合研究を目的とし、2019年に設立いたしました。「日本遺産」、「ユネスコ無形文化遺産登録へ向けて」の協力と、毎月第三木曜日を「琉球料理の日」と設定し、県民の意識を高める活動をしてまいります。