琉球伝統芸能・琉球びんがた・琉球菓子を上質な沖縄観光コンテンツとしてパッケージ化し、復興中の首里城にて上演する 「琉球の美」-首里城で感じる“ホンモノのモノ”- は、11月の公演(三日間)を終了させていただきました。 ご来場いただきました皆さま 誠に有難うございました。
一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム様・一般社団法人琉球料理保存協会様との包括連携の最初の取組みとして、琉球王国時代に構築された琉球伝統芸能・琉球びんがた・琉球菓子のホンモノをお届けする特別な上演を11月21日・22日・23日の三日間、首里城公園 首里杜館(すいむいかん)ビジターロビー内に特設エリアを設置し実施させていただきました。
「学び」も重要テーマとし各分野の第一線で活躍される先生方の解説や、世界遺産『園比屋武御嶽石門』(そのひゃんうたきいしもん)に移動しての礼拝等を組合わせ、約2時間のプログラムでした。
「味わう美」
「祈りの美」
「感じる美」
1.琉球料理の解説と琉球菓子のご提供
琉球料理保存協会 常務理事であり、琉球料理伝承人の伊是名カエ先生より、琉球料理・琉球菓子の解説をしていただくと同時に、来場いただいたお客様にご提供する 特別な琉球菓子(三品)に関する説明をしていただきました。
琉球料理伝承人の皆様に作っていただいたお菓子でして、ラードから丁寧に作っていただいたご苦労等 琉球料理の奥深さを学ぶことができました。
本来は会場内で召し上がっていただく予定でしたが、新型コロナ感染拡大予防としてマスクを外しての飲食は避けるとし、今回はお持ち帰りとしてご用意いたしました。
2.琉球びんがたの解説
琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの理事であり、琉球紅型三宗家の一つで350年の歴史を持つ知念家 第10代当主である 知念冬馬先生 より、琉球びんがたの歴史や特徴などを解説いただき、沖縄の気候風土においても色あせる事の無い魅力等を学ぶことが出来ました。
今回 特別に展示していただいた先代がお作りになったびんがた着物は、その後 実際に纏って演舞する際にどのような観点で観るべきかなどのお話もいただきました。
3.世界遺産『園比屋武御嶽石門』にて演奏・解説・礼拝
歌三線奏者のご案内で守礼門をくぐり、『園比屋武御嶽石門』(そのひゃんうたきいしもん)へ移動。
石門の前に特別に琉球ビーグ(い草)のゴザを敷き、演者準会員による琉球古典音楽の演奏を実施。
沖縄県立芸術大学准教授 麻生伸一先生より、琉球王国時代 国王が礼拝されていた様子等を解説していただいた後、希望のお客様には琉球王国時代に行われていた形態での「祈りの時間」とさせていただきました。
※11月22日は雨天のため、屋内で実施
4.琉球史の解説
沖縄県立芸術大学 麻生伸一先生より、「琉球の美の基底としての近世琉球文化」と題し、琉球王国の概要・現代に繋がる流れ・伝統芸能の位置づけ等に関し、お客様にお配りした資料に則って解説していただきました。
琉球伝統芸能は琉球王国の外交ツールとして王府主導での国家戦略との位置づけであった等、多くの学びを得る事が出来ました。
5.琉球伝統芸能の上演
首里城破損瓦を活用した演奏舞台『Una-』(御庭)に琉球ビーグ(い草)と現代アートの屏風を組み合わせた初めての舞台空間において、特別な琉球びんがた着物を纏って演舞するなど、伝統と現代アートを組み合わせ“リデザイン”された琉球伝統芸能をご鑑賞いただきました。
□11月21日 琉球古典音楽「こてぃ節」、琉球古典舞踊「稲まづん」、琉球古典音楽「 暁節 」、琉球古典舞踊「 瓦屋 」
(演者会員:山内昌也、内間安希、西村綾織、謝名堂奈津)
□11月22日 琉球古典舞踊「稲まづん」、琉球古典音楽「仲村渠節」、琉球古典舞踊「 荢引 」
(演者会員:山内昌也、永山玲緒奈)
□11月23日 琉球古典舞踊「稲まづん」、琉球古典音楽「 仲風節 」、琉球古典舞踊「 瓦屋 」
(演者会員:山内昌也、又吉聖子)
小空間ならではの近距離での鑑賞は、お客様にも心地よい緊張感を味わっていただくと同時に、太い琉球ビーグ(い草)のおかげで演舞演者の摺足の音もはっきり聞いていただき、今年刈り取ったビーグの香りと共に大きな劇場では味わえない体験を楽しんでいただきました。
6.フォトセッション
終演後、ご希望のお客様には舞台の上に上がっていただき、演者とのフォトセッションを行いました。
特に、首里城破損瓦を活用した演奏舞台『Una-』の上に座れる貴重な機会として、多くのお客様に写真を撮っていただきました。
令和三年度沖縄観光コンテンツ開発支援事業としては、12月25日・26日の二日間 実施させていただきますので、詳細は特設サイトをご確認ください。
~~~ 「琉球の美」-首里城で感じる“ホンモノのモノ”- 空間創造 ~~~
「Una-」プロジェクト
首里城破損瓦利活用アイデアによる琉球古典音楽演奏空間の創造
企画発案者:山内昌也
紅型デザイン:屋冨祖幸子・知念冬馬
実行委員:細矢 仁・阿波根昌樹・津波古充仁・鈴木 悠・平賀和明
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室
一般社団法人琉球紅型普及伝承コンソーシアム
屏風
「青の境界」和紙/型染
「八月の海」和紙/型染
「記憶の中に」和紙/型染
「緑の上に青の中に」和紙/型染
名護朝和 公立大学法人沖縄県立芸術大学 教授
琉球畳
大山タタミ店/代表取締役 大山竜児
産地/うるま市 照間産 2021年収穫ビーグ(い草)
空間提供
一般財団法人沖縄美ら島財団 首里城公園
空間デザイン
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室
代表理事 山内 昌也
事務局長 平賀 和明