代表理事 山内昌也より、「新年のご挨拶」を申し上げます。
2023年 元日ごあいさつ
新年あけましておめでとうございます。
2023年がスタートしました。本年は、琉球古典音楽の祖 湛水親方(本名 幸地賢忠)の生誕400年を迎える年となっております。湛水親方は、琉球王国時代士族であると同時に、生涯を通じ琉球古典音楽だけでなく、茶道や禅を極めた文化人であるといわれています。今日まで琉球古典音楽が連綿と受け継がれているのも、湛水親方の功績であると考えます。私も琉球古典音楽湛水流(野村流)奏者として、今年は特に湛水流の魅力を多くの皆様方にご紹介することができればと考えております。
昨年、琉球伝統芸能デザイン研究室では「方向」をコンセプトとして活動して参りました。おかげさまで、各演者会員が本研究室の理念を意識し、独自に表現活動を行なっておりました。振り返りますと、コンセプトの通り、演者会員の様々な方向性が見出せたのではないかと感じております。私も昨年は、東京赤坂迎賓館にて、内閣府主催による沖縄本土復帰50年企画「琉球古典音楽と琉球舞踊鑑賞会」に出演する機会に恵まれました。また、東京駒場にあります日本民藝館での「沖縄の美」開催期間中による「琉球古典音楽の美」を企画上演させていただきました。いずれの空間も琉球古典音楽(琉球古典舞踊)の上演は史上初ということで、意義あるものとなりました。また、本研究室の取り組みにおきましては『リシェス』(ハースト婦人画報社)や『クレアトラベラー』(文藝春秋)、JTA機内誌『コーラルウェイ』など、様々な雑誌にて掲載させていただき、少しずつではございますが、活動の場が拡がっていると実感する年となりました。
また、私個人的なことではございますが、昨年は国の重要無形文化財「琉球舞踊」(歌三線)の保持者に認定され、最年少としてその重大さと責任を感じております。琉球古典音楽実演などを通じ、伝承者養成育成にも積極的に取り組んで参りたいと思います。
さて、本年研究室のコンセプトは「ブランディング」です。2019年に設立して、4月に4年目を迎えます。その間、グッドデザイン賞の受賞や官公庁との連携、ホテル業を中心とした企業様との連携を通じ「高貴なうとぅいむち」(おもてなし)について追究して参りました。琉球伝統芸能デザイン(琉球古典音楽1名×琉球古典舞踊1名)のパフォーマンスを通じ、更なる空間表現研究と、様々なコラボレーションを図ることで、琉球王国時代の踊奉行の精神に近づくことができればと思います。国家形成として重要な位置づけであった琉球伝統芸能を今の時代に生かすことが「ブランド」の確立であり、沖縄独自の文化芸術の発信、質の高い沖縄観光に寄与することができればと考えております。
本年もみなさま方におかれまして、素晴らしい1年となりますよう祈願いたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023(令和5)年1月1日
一般社団法人琉球伝統芸能デザイン研究室
代表理事 山内 昌也